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2008年8月27日 (水)

日本人誘拐事件について(2)

皆さんこんにちは。JENカブール事務所長の柴田哲子です。

昨日発生したペシャワール会の職員の方の誘拐事件、
本日とても残念な結果になったとの報道がありました。

ペシャワール会は、現地に根差した、ニーズに合った、
きめ細かい支援を行ってこられた団体だと存じています。
報道によると、被害に遭われた伊藤さんは、5年間も
ナショナルスタッフと寝食を共にし、農業指導をされて
いた由。

現地で生活したことのある外国人なら誰でも共感頂けると
思いますが、「アフガニスタンで」「ナショナル
スタッフと寝食を共にし」「長く」暮らすということが、
どれだけ大変なことかというと、実は筆舌に尽くし難い
ことなのです。

それを5年間も続けられていたということだけでも、
現地に根差した活動をされて左証でしょう。

ペシャワール会の方々やご家族の皆さん、何より
現場で活躍されていた伊藤さんご本人の無念を思うと
非常に形容しがたい思いで一杯になります。

伊藤和也さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

===
今回の事件で懸念されるのは、前回書いたように、
十羽一絡げにアフガニスタン=危ない議論になってしまうこと

加えて、ペシャワール会さんの責任を追求する
ような議論になってしまうことです。

話がそれるようですが、問題の解決には、まずは問題の
特定が必須です。
そして、問題の特定のためには、報道等の2次情報や
それらの解釈等の3次情報ではなく、1次情報を集める
ことが不可欠です。

今回の犯行の背景については情報が錯綜しており
未だ予断を許さない状況にあるかと思います。
しかしながら、ひとつだけ確実に言えることは、
今回の事件の発生要因には、様々な要因が複雑に
絡んでいるということです。

===
例えば、タリバンの広報官が犯行を認める声明を
出したようですが、一方で、犯行の認知まで若干
タイムラグがありましたよね。

現在のタリバンは、1994年に、ムジャヒディンの跋扈で
荒廃したアフガニスタンに流星のごとく現われ、
(多分に原理主義的解釈ではあったものの)イスラムという
規範に基づいて治安を確立・国内を制定した初代タリバン
からは大きく変化してきていると言われています。

政治的な目的で犯行を行う集団、自己の勢力拡大を目指す
集団、そして単なる犯罪目的の集団等々、指揮系統の
統一が失われてきていると言われています。

そもそも様々な集団の寄せ集めであったことや、
一度解体されてから既に10年以上が経過している
ことなどからも納得できる話です。

タリバンと言われる集団のこのような経年変化も、
アフガニスタンの現在の治安悪化に影響を与えていると
言えるでしょう。

===

話は戻りますが、このようなタリバンの経年変化
という情報については、現地の地の利や情報ソース等がない限り
離れたところではなかなか確認できない内容ではないでしょうか。

JENは、ホームページでも伝えていますが、
今回の事件のようなことが再び起こらないためにも、また
アフガニスタンの治安回復のためにも、支援の継続が重要だと
考えています。

JENは、治安情勢に配慮しつつ、職員の安全を確保しつつ活動を
継続していきます。

安全を確保した活動の継続のためにも、大局観を持った情報の収集は
必須であり、そのためにも、現地での活動継続が必要だと考えています。

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コメント

突然でごめんなさい。阿達です。
大変ご無沙汰しています。
ニュース聞いてご無事かどうかとても心配で
思わずコメントしてしまいました。

久々にブログを拝見したのですが
治安が悪化してきている状況の中でも
冷静に対処し、お仕事を続けているようで
少し安心しました。。。。

柴田さんが元気で、そして
柴田さんの志が実現できますように
日本から祈っています。頑張ってくださいね!


投稿: | 2008年8月29日 (金) 00時33分

阿達さん、久し振り~!!
コメントありがとう♪

おかげさまで、JENのスタッフ全員も含め、
無事に過ごしています♪

こうやって、安否を気遣ってくれる友人が
いてくれること、本当にありがたくて、
とてもたくさんのパワーをもらってます♪

日本も暑くなったり寒くなったり
落ち着かない気候が続くようだけど
体に気をつけてお過ごしくださいね♪

投稿: 柴田哲子 | 2008年8月30日 (土) 18時51分

たぶん、報道されていることとか現実のこととか、現場にいて活動している人達は複雑な思いがあると思います。でも、現地で起こった出来事で今までの活動が途絶えてしまうことは、亡くなった方も望んでいないんじゃないかなと思うのですが・・・でも、家族にとってはきっととても辛いですよね・・・。
それでも、今日、明日、あさって、1ヵ月後、1年後、10年後・・・と少しでもその国が豊かになっているようにと活動をつなげていくことに、意味があるのかなと思います。だから、がんばってください!!

投稿: とし | 2008年8月30日 (土) 21時21分

としさん、

コメントありがとうございます♪
とても勇気づけられました。

現地で活動されていたとしさんもきっと
同じ気持ちを感じられていると思います。

未来に活動を繋げていくこと、本当に
そのとおりですよね。

よりよい明日のために、困難な先の見えない
環境の中でもがんばっている
アフガニスタンの人びとの気持ちや努力が
潰えないように、側面支援を続けていきます。

投稿: 柴田哲子 | 2008年9月 1日 (月) 02時27分

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