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2008年7月10日 (木)

気になること①:援助疲れ(その2)

皆さんこんにちは。JENカブール事務所長の柴田哲子です。

(前回アップした記事に書き加えています)
さて、前回は、アフガニスタンの人びとの側から見た
援助疲れの要因について考察してみました。

今回は、支援する側の援助疲れの要因について考えてみたいと思います。

国際協力に携わっている方には自明のことかと思いますが、
開発途上国での支援事業が、予定通りに進むことはまずないと思います。
それが支援事業の悩みでもあり、チャレンジングなところでもありますよね。

しかしながら、アフガニスタン支援の場合、それ以上の困難さが
存在するように思います。

第一に、治安の悪化と日々強まるストレス環境。

治安は年々悪化傾向にありますが、セレナホテルの襲撃事件や先日発生した
インド大使館の襲撃事件等、民間人を大幅に巻き込むタイプのテロが
発生して以降、国際支援団体に属する国際スタッフの行動は大幅に制約されています。

息抜きに外に出ることもままならず、宿舎とオフィスを往復するだけ。
宿舎とオフィスが一緒になった組織では、外出が殆どできません。
レストランや日用品の買い物に出ることもできないとなると、
本当に厳しい状況です。

第二に、アフガニスタンの長期紛争を要因とした人材不足。

25年以上の紛争は、当然のことながら、人びとから教育機会や
職業人として経験を積むべき機会を奪ってきました。
したがい、エンジニアなど机上の知識に加え実務経験が不可欠の人材が
著しく欠如しています。
また、オフィスワークをこなすスタッフについても、実務経験やスキルを
持っている人を探すのはとても難しい状況です。

援助の受け入れ機関である各省庁では、省庁や部署にもよる
でしょうが、月給は約50ドル程度。現在のアフガニスタンの物価を
考えると一家族が普通に生活できる金額ではありません。
そのような環境に、援助受け入れ業務をスピーディーにさばける役人が
集まるとは考え難い。また、働く役人の立場に立ってみても、
まともに仕事をしようという気が起きることは難しいでしょう。

第三に、近視眼的になりがちな、アフガニスタン人のメンタリティ。
この要因は長年の紛争に起因する面もありますが、残念なことに援助
コミュニティが形作ってしまった側面も否めません。
例えば、1年先に自分の子どもが学校に通えるようになることよりも、
今自分が労働者として仕事を得られないのであれば、学校の建設工事を
妨害してやる!という村人もいます。

この他にも、所属している機関毎に、特有の問題があると思われます。

例えばNGOの場合、コミュニティと共同で事業を実施することから、
村人の争いに直面することがままあります。
これはどこの国でもNGOであれば出会う問題だと思いますが、
アフガニスタン特有なのは、そこに「コマンダー」と呼ばれる旧兵士が
絡んでくることが多いことが挙げられます。

悪化する治安、高まるストレス環境、なかなか進まない仕事・・・・。
そのような状況が終わりなく続くようにみえるため、支援する人びとの間に
援助疲れが発生し、高まっていくと考えられます。

激しい治安事件や高ストレス環境を原因としているのかもしれませんが、
最近国際スタッフのターンオーバー期間が短いように感じられます。

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