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2007年7月16日 (月)

英語レッスンスタート!

皆さんこんにちは。JENカブール事務所長の柴田哲子です。

この度、JENのオフィスでは、スタッフ向けの英語の授業を始めました。

マネジャーやフィールドオフィサー等のオフィススタッフ以外、すなわち、ドライバー、セキュリティガード、クック、クリーナー等のスタッフは、殆ど英語が使えません(英語が話せても片言で、読み書きは困難)。
場合によっては、当地の言葉であるダリ語でさえ、読み書きできないスタッフもいます。

それらのスタッフとコミュニケーションするには、英語の出来るオフィススタッフに通訳をお願いすることになります。
しかしながら、オフィスマネジメントの観点からは二重のコストとなることに加え、様々な理由から彼らの意図が完全に伝わりきらない場合もあり、国際NGOの中で自らを守るためには、英語がある程度できることは不可欠、と日々考えていました。

そんな時、いくつかのきっかけが重なりました。

一人のセキュリティガードが、「柴田さん、もし僕が英語とコンピューターが出来るようになったら、オフィススタッフとして雇ってもらえますか?」とカタコトの英語で聞いてきたのです。

彼は、最近二人目の子どもが生まれたばかり。
27歳と若いけれど、奥さんと2児を抱える一家の主です。

英語とコンピューターが出来るだけでオフィススタッフに即採用とはなりませんが、やはりオフィス内で働くにはそれらの技能は必要最低条件です。

そう答えたところ、彼は、「3ヶ月間、毎日英語の教室に通って勉強します」と答えました。

セキュリティガードの仕事は不定期且つ夜勤があることに加え、彼の家からオフィスまでは自転車で片道1時間くらいかかります。
そのような環境においても、彼は今も英語の授業に通い続けています。

もう一つのきっかけは、一人のドライバーでした。

彼が毎朝英語の勉強をしているということを耳にしたので、本人に聞いてみると、英単語とそのダリ語訳でびっしりと埋め尽くされたノートを何冊も見せてくれました。

これらのノートは、高校卒業後すぐに働き始めた彼が、夜間の英語学校に通っていた時に作成したものとのこと。
これらを、毎朝20ページ、復習しているというのです。

28歳の彼も、小さい子ども2人の父親です。

もし、英語の授業をオフィスで行なったら受けたいかと聞いてみたところ、彼らの答えはもちろんイエスでした。

そこで、人のつてを頼ったり、求人サイトに求人情報を出したりして、面接すること十数人。
漸く条件に合う先生を見つけました。

その後教科書を入手し配布したところ、スタッフ一同が皆、嬉しそうに自分の名前を書き込んでいました。
名前が書けないスタッフには、書けるスタッフが手伝ったりして。
そうやってちょっとしたことを教えることもまた、モチベーションアップに繋がっているようです。

日中、スタッフを待つ車内等で、ドライバーが一生懸命教科書を読んでいる姿を見かけることが増えてきました。

また、これまではダリ語一辺倒だったクックが、「お茶をどうぞ」等、ちょっとした片言英語を話そうとするようになりました。
それを横で聞いていたセキュリティガードが、「お前、何て言ったんだよー」って感じで尋ね、それに対し「いやー・・・」なんて感じで、照れながらも答えたりしている微笑ましい場面を目にすることも(笑)。

長引く紛争によりあらゆるものが破壊され尽くし、理不尽なことばかりがまかり通ってきた、全てが不安定なこの国で、それでも、若しくは、だからこそ、子供のために、家族のために、自分のために、より良い暮らしを求め、誠実な努力をする人たち。

このような誠実な努力が報われるような国となることを、多くの人が望んでいるはず。

一方、我々国際NGOの使命が、あらゆるものが破壊され尽くした国における、国造りの側面支援だとすれば、また、ある意味「触媒」である我々の役割は最終的にはアフガニスタンの人たちに引き継がれていくべきものであるとすれば、一人でも多くのアフガニスタンの人たちのキャパシティが向上することは、間接的な国造りの側面支援であると言い得ると思うのです。

授業が行われるのは、就業後。
ガードルームからは、アルファベットを読む声が聞こえてきます。

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コメント

>一人でも多くのアフガニスタンの人たちの
>キャパシティが向上することは、間接的な
>国造りの側面支援であると言い得ると思うのです

今日の書き込みには感動しました。(他の日も楽しく読んでいますよ!(笑)

私も仕事の関係でカンボジアに行った事があり、柴田さんが前に書いていたように、せっかく育てて技術が身についたと思ってもすぐ転職してしまう、途上国の人材事情は少しは理解(?)しているつもりなのですが、そういう事情を肌身で感じているだろう柴田さんが、そのリスク(英語を教えてももしかしたら転職してしまうかもしれない)も恐らくは考えたと思われるところをあえて(?)行う理由は恐らく、広い意味でもキャパシティービルディングが国造りには大事、という信念なのでしょうね。うまく書けませんが、色々と考えさせられます。

投稿: 薄紫 | 2007年7月17日 (火) 11時28分

薄紫さん、

いつもご覧頂きありがとうございます♪
そしてコメントもありがとうございました!
敢えて明記しなかったポイントについて、わかって頂き嬉しかったです。

そうなんです。「オフィスで英語レッスンを行う」という案については、数ヶ月前から考えていたのですが、ご指摘のように「技術を身に付けたら給与の良いところにいってしまう」というリスクについては何度も考えました。

アフガニスタンの国造りの側面支援のために、より良い事業を行うためには、JENとしては良いスタッフを集め少しでも長く働いてもらうようにすることは不可欠です。
したがい、もし辞められてしまうリスクがあるのであれば、敢えてそこまで(英語授業を提供することまで)する必要は無いのではないか、とも考えました。

しかしながら、より長期的な視点で考えた場合には、JENで働く一人一人のスタッフのキャパシティビルディングをすることも、国造りの側面支援に繋がるのだと思い至り、決断しました。

もちろん、他企業に引き抜かれないように、正攻法で給与レベルを上げたり職場環境を整えたりという努力は怠らないつもりです。
彼らの英語レベルが上がるのが先か、JENのオフィス環境が向上することが先か、エキサイティングですし、新たな課題が増えてしまいましたが(笑)、彼らの誠実な努力に負けないように、頑張りたいと思います♪

投稿: 柴田哲子 | 2007年7月17日 (火) 22時10分

いつもまとめ読みなもので、なかなかコメントできずでしたが、
この記事を読んで、すごく感動しました。レポート5行の裏に、
こんな色んなエピソードがあったとは!!

アフガンの人々のキャパシティー向上と国づくりに微力ながら
貢献できればと、私のモチベーションも上がりました♪

投稿: Kumiko | 2007年7月18日 (水) 15時59分

kumikoさん、コメントありがとうございます♪

東京からの力強いサポート、いつもありがとうございます。

セキュリティガードやドライバーは、最近は暇があると一生懸命アルファベットを紙に書いています。
今日も、ABCDEFG・・・・といくつもいくつもアルファベットを繰り返し書いた紙を見せてくれて、エービーシーディー・・・って読んでくれました。

挨拶も、ダリ語一辺倒だったスタッフが英語で挨拶しようとするようになってきましたよ。

投稿: 柴田哲子 | 2007年7月20日 (金) 02時02分

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